カーボン・オフセットに関するFAQ
1.カーボン・オフセットとは?(初級~中級)
- カーボン・オフセットとは何ですか?
- カーボン・オフセットの類型はどのように分かれていますか?
- カーボン・オフセットに用いられるクレジットにはどのようなものがありますか?
- 環境教育効果はありますか?
- カーボン・オフセットを行うとビジネスとしてどんなメリットがありますか?
- グリーン購入法でのカーボン・オフセット位置づけはどのようになっていますか?
- カーボン・オフセットの取組の認証やラベルを取得できる仕組みはありますか?
- カーボン・オフセットの推進や情報交換のために、どのようなネットワークがあります か?
2.実施のフロー(初級~上級)
- カーボン・オフセットの実施の流れについて教えてください。
- 算定の対象範囲についてどのように考えればよいですか?
- 排出量の算定とはどのようなことをするのですか?
- 削減努力とは具体的に何を行うのですか?
- オフセットに用いるクレジットの調達では具体的に何を行うのですか?
- J-VERを使ってオフセットするにはどうすればよいですか?
- 排出量の埋め合わせについて教えてください。
- .情報提供とは具体的に何を行うのですか?
3.実施にあたって(中級~上級)
- カーボン・オフセットを実施する場合の会計処理について教えてください。
- オフセット用のクレジットを購入するインセンティブ(例えば、税制上の優遇措置)はありますか?
- オフセット用のクレジットを購入した場合の損金算入は可能ですか?
- 地方公共団体としてカーボン・オフセットの取組を実施することを検討していますが、法律等の根拠規定はありますか?
- カーボン・オフセットのために京都クレジットを償却し、日本の京都議定書の目標達成に用いることは、自己排出量のオフセットとのダブルカウントになるのではないでしょうか?
- 指針に示されたカーボン・オフセットの定義を踏まえると、京都議定書目標達成のために寄付するという形の商品・サービス等(該当する商品の製造・使用時の排出量等の埋め合わせとは関係なく、商品・サービス等の価格にクレジット価格を付加したもの)とカーボン・オフセット型の商品・サービス等(該当する商品の製造・使用時の排出量等の全部又は一部を埋め合わせるクレジット価格を付加したもの)とを区別した方がよいのではないでしょうか?
- グリーン電力証書をオフセットに使う場合にはどのような手法がありますか?またその際の留意事項は何ですか?
- カーボン・オフセットに用いられた京都クレジットを国別登録簿上で償却する場合と取り消す場合がありますが、両者の違いは何ですか?
- カーボン・オフセット型の商品・サービス等を販売し、購入者に代わって京都クレジットを国別登録簿上の償却口座に移転するに当たり、どのクレジットをどの購入者のためにオフセットしたのかを証明する手段がありませんが、どのように対処すればよいでしょうか?
今のところはホームページでの公表等により対応するかどうか検討しています。 - 自社で創出したオフセット・クレジットを使って、自社の排出量を埋め合わせることはカーボン・オフセットといえるのでしょうか?
1.カーボン・オフセットとは?(初級~中級)
- [1-1]カーボン・オフセットとは何ですか?
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カーボン・オフセットとは、企業活動や商品製造等によって排出してしまう温室効果ガス排出量のうち、どうしても削減できない量の全部または一部を、他の場所での排出削減・吸収量でオフセット(埋め合わせ)するという地球温暖化対策の一つの手法です。
カーボン・オフセットの仕組みを活用した商品・サービス・イベント等は年々増えており、市民・企業・自治体等が主体的に地球温暖化対策に貢献する手段の一つとして注目されています。実際のカーボン・オフセット取組事例集は こちら

図 カーボン・オフセットの仕組み
- [1-2]カーボン・オフセットの類型はどのように分かれていますか?
-
「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」によると、カーボン・オフセットは以下の2つの類型に分けられます。
1.市場を通じて第三者に流通するクレジットを活用したカーボン・オフセット(市場流通型)
クレジットを二重発行しない「管理」の仕組みが整備されており、第三者検証が手続として要求されている等、1トンの価値をお金に換算して市場で取引できるだけの品質が担保されているクレジットを使ってカーボン・オフセットする取組のことを指し、以下の4つのタイプに分けられます。①Ⅰ-1 商品使用・サービス利用オフセット
商品を製造・使用・廃棄したり、サービスを利用したりする際に排出される温室効果ガス排出量をオフセットするもの。
図 Ⅰ-1 商品・サービス利用オフセットの仕組み例②Ⅰ-2 会議・イベント開催オフセット
国際会議やコンサート、スポーツ大会等の開催に伴って排出される温室効果ガス排出量をオフセットするもの。
図 Ⅰ-2 会議・イベント開催オフセットの仕組み例③Ⅰ-3 自己活動オフセット
自らの活動に伴って排出される温室効果ガス排出量をオフセットするもの。
図 Ⅰ-3 自己活動オフセットの仕組み例④Ⅱ 自己活動オフセット支援
商品・サービスを介し、当該商品・サービスを購入・利用する消費者個人の日常生活に伴う排出量のオフセットを支援するもの。
図 Ⅱ自己活動オフセット支援の仕組み例2.市場を通さずに特定者間のみで実施されるカーボン・オフセット
オフセットする側と削減する側との特定の二者間で排出削減・吸収価値を交換するものをいいます。地方自治体が発行している森林吸収証書や特定の企業・団体間で行う排出削減・吸収の取り組みなどがその例ですが、排出削減・吸収価値で植樹をするものなど様々な活動があります。
特定者間完結型は、市場流通型に含まれない削減・吸収価値を使ってオフセットする取組みですが、検証コストなどが低く、比較的取組やすい反面、社会からカーボン・オフセットと認められるには削減についての信頼性確保など慎重に考慮しなければならない点がありますので注意が必要です。
- [1-3]カーボン・オフセットに用いられるクレジットにはどのようなものがありますか?
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カーボン・オフセットに用いられるクレジットには、京都議定書に基づくクレジット(CER等)や国内の排出削減・吸収プロジェクトから創出されるオフセット・クレジット(J-VER)などがあります。
クレジットが創出される排出削減・吸収プロジェクトには、風力発電、太陽光発電、小水力発電の他、森林整備や木質バイオマスの活用、農畜産分野のプロジェクトなどがあり、非常にバラエティに富んでいます。
クレジットを選択することは、自分が応援したいプロジェクトに投資するという意味も含んでいます。クレジットが生み出されるプロジェクトは、温室効果ガス対策としての効果の他にもコベネフィット(副次的効果)―たとえば、発展途上国の大気汚染改善策や生活の質の向上、日本国内の森林再生や地域活性化といった副次的効果―が見込まれることがあるため、カーボン・オフセットは、温暖化対策+αの可能性を持っている地球にやさしい取組ともいえます。京都議定書に基づくクレジットをもっとよく知りたい方は こちら
日本国内で創出されるクレジットをもっとよく知りたい方は こちら
- [1-4]環境教育効果はありますか?
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カーボン・オフセットの3つのステップ、「知って」「減らして」「オフセット」の第一のステップ『知って』は、自分がどのくらい温室効果ガスを排出しているか「見える化」を行い、自らの排出量を認識することから始まります。次に、第二のステップ『減らして』では、自らの排出量を減らすための努力が求められるため、地球温暖化防止に対し、自らどのような行動を起こせばよいのか考えなくてはなりません。最後のステップ『オフセット』では、他で行われている排出削減や吸収の活動にも目を向け、カーボン・オフセットが生むコベネフィット(副次的効果)―たとえば、発展途上国の大気汚染改善策や生活の質の向上、日本国内の森林再生や地域活性化といった副次的効果―にも目を向けることが可能です。
これらのステップを踏むため、環境教育の一つのツールとして、カーボン・オフセットは、地球温暖化について考え、行動するきっかけとなることが期待できます。
カーボン・オフセットフォーラム(以下「J-COF」という。)では、カーボン・オフセットに係る出張授業、セミナーへの講師派遣等を行っております。また、パネルや、パンフレット等の貸し出し・提供を行うことも可能です。詳しくはJ-COF事務局へお問い合わせください。お問い合わせ先は こちら
- [1-5]カーボン・オフセットを行うとビジネスとしてどんなメリットがありますか?
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1.企業価値の向上
地球温暖化への関心が高まるとともに、温暖化対策に取り組む企業を評価する消費者や投資家が増えています。消費者を対象としたアンケート調査では、約9割の人が「カーボン・オフセットに取り組む企業を評価する」と回答している例もあります。(My Voice「環境に関するアンケート調査」(2008.6))カーボン・オフセットに取り組むことで、企業価値の向上とCSRの取組をステークホルダーにアピールすることができます。2.コスト削減の可能性
カーボン・オフセット実施に伴い、温室効果ガス排出量の算定を行います。これにより、温室効果ガスが「見える化」され、その削減を行うために工程の見直しや無駄を省く取組が促進されます。また、クレジットの購入を通して、排出分を埋め合わせるという過程で、温室効果ガスの排出がコストであると認識され、そのコストを削減しようとするインセンティブが働くきっかけにもなります。
- [1-6]グリーン購入法でのカーボン・オフセット位置づけはどのようになっていますか?
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平成22年2月、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」の「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」において、「温室効果ガス削減のための新たな取組であるカーボン・オフセット認証ラベル、カーボンフットプリントマークを参考にするなど、できる限り環境負荷の低減に資する物品等の調達に努めることとする。」と閣議決定されました。
ただし、現在、グリーン購入法における特定調達品目には位置づけられておりません。
- [1-7]カーボン・オフセットの取組の認証やラベルを取得できる仕組みはありますか?
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カーボン・オフセットの取組の信頼性構築のため、「カーボン・オフセットの取組に対する第三者認証機関による認証基準」をもとにカーボン・オフセットの取組を認証し、ラベリングを実施する制度として、2009年4月に、カーボン・オフセット認証制度が設立されました。2011年6月現在、60件以上のオフセットの取組が認証されています。
カーボン・オフセット認証制度については こちら
- [1-8]カーボン・オフセットの推進や情報交換のために、どのようなネットワークがありますか?
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環境省では、カーボン・オフセット等の市場メカニズムを活用した制度を構築する地方公共団体、カーボン・オフセットの取組を行う事業者等、さらにはカーボン・オフセット市場がいち早く発達した英国等、さまざまな関係者との対話を行い、カーボン・オフセットの取組の普及促進や制度改善に活用していくこととしています。
環境省より設置され、カーボン・オフセットの普及啓発(イベントの開催や相談支援等)を行うJ-COFの他、地域の地球温暖化対策に熱心な地方公共団体を中心に構成されている、日本カーボンアクションプラットフォーム(以下「JCAP」という。)(2008年7月創設)や、信頼性の高いカーボン・オフセットの取組を推進する事業者等のネットワークとして設置された「カーボン・オフセット推進ネットワーク(以下「CO-Net」という。)」(2009年4月設立)があります。
図 カーボン・オフセットを推進するにあたっての諸団体との連携
2.実施のフロー(初級~上級)
- [2-1]カーボン・オフセットの実施の流れについて教えてください。
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カーボン・オフセットの実施フローは以下の通りです。
- カーボン・オフセットの取組に関する企画・検討
- 排出量の算定
- 削減努力
- クレジットの調達・無効化
- 情報提供
- 見直し・総括
また、オフセット・プロバイダーは、クレジットの調達・無効化をはじめ、カーボン・オフセ ット商品・サービスの企画や温室効ガス排出量の算定といったカーボン・オフセット全般のサー ビスの提供を行っていますので、利用を検討することが推奨されます。あんしんプロバイダー制度に参加されているオフセット・プロバイダーは こちら
- [2-2]算定の対象範囲についてどのように考えればよいですか?
- 「カーボン・オフセットの取組に対する第三者認証機関による認証基準」によるとカーボン・オフセットは、オフセットする対象活動・範囲を実施者が任意に設定することができます。商品の原料調達から廃棄にわたるライフサイクルの温室効果ガス排出量を対象にすることもできますし、製造工程や使用など一部の活動に限定してオフセットすることもできます。
- [2-3]排出量の算定とはどのようなことをするのですか?
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まず、算定対象範囲を設定し、その範囲における排出量の算定を行ったうえで、オフセット量を決定します。
電気やガスなどのエネルギーの使用に伴う二酸化炭素の排出量の計算方法は、使用したエネルギー量(電気であれば○○kWh、ガスであれば○○m2、ガソリンであれば○○lといった値)に、二酸化炭素に換算するための換算係数(排出係数)をかけることにより計算します。
このようなオフセットの対象となる排出量の算定方法については、
「カーボン・オフセットの対象活動から生じるGHG排出量の算定方法ガイドライン」(略称:算定方法ガイドライン)を参照してください。
なお、算定の対象を今後も拡大し、同ガイドラインを適宜改定していく予定ですので、動向にご留意ください。
オフセットに関する算定方法は、J-COFが提供する方法のみに限定されることはありませんが、お困りの場合は、J-COFまでご相談ください。
- [2-4]削減努力とは具体的に何を行うのですか?
- 自らの排出量を削減するための取組を行うこと、また消費者等に対して排出量削減を促すことを意味します。「カーボン・オフセットの取組に対する第三者認証機関による認証基準」では、カーボン・オフセットの取組にあたり、定量的な削減努力は求められておりませんが、例えば電気をこまめに消すこと、空調の設定温度を28度にすることなどの他にISO14001のような環境マネジメントに関する認証取得も削減努力の一環と認められます。
- [2-5]オフセットに用いるクレジットの調達では具体的に何を行うのですか?
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カーボン・オフセットプロバイダー等からクレジットの種類や、価格などを確認し、オフセットに必要なクレジットを調達します。
なお、カーボン・オフセットの信頼性確保のためには、オフセットに使用されるクレジットの信頼性が非常に重要です。クレジットの種類、プロジェクトが指定されていること、確実な排出削減・吸収があること、温室効果ガスの吸収の場合はその永続性が保障されていること、同一の排出削減・吸収が複数のカーボン・オフセットに用いられていないこと(ダブルカウントの回避)、クレジットが第三者により審査・検証され登録簿で管理されていること等を確認してください。あんしんプロバイダー制度に参加されているオフセット・プロバイダーは こちら
- [2-6]J-VERを使ってオフセットするにはどうすればよいですか?
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J-VERはカーボン・オフセットプロバイダー(カーボン・オフセットに用いるクレジットの仲介を行う事業者)から購入する方法と、J-VERの発行を受けたプロジェクト代表事業者など口座保有者に購入に関して直接御相談いただく方法があります。
カーボン・オフセットプロバイダーからの購入の場合、カーボン・オフセットの取組全般にわたるコンサルティング業務を提供している場合もありますので、クレジットの調達だけでなく、オフセットの取組全般に対して支援を受けることも可能です。
なお、J-VERの取引価格の動向につきましては、J-COFホームページ内
「J-VER市場の動向とお取引」をご参照ください。
- [2-7]排出量の埋め合わせについて教えてください。
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排出量の埋め合わせはクレジットを無効化口座に移転すること(以下、「無効化」という。)で完了します。無効化の際には、自ら無効化する形と、オフセット・プロバイダー等に無効化を代理で行ってもらう形があります。
なお、京都クレジットの場合は無効化には、「償却」と「取消」という2種類の方法があり、基本的に任意で選択できます(ただし、国際航空のように、現時点で京都議定書に基づき日本の排出量に含まれない排出をオフセットするに当たっては、国別登録簿上では取消口座に移転することが必要になります)。詳しくは本FAQ3.実施にあたって Q8をご確認ください。
- [2-8]情報提供とは具体的に何を行うのですか?
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カーボン・オフセットに対する信頼性・透明性を確保するために、ホームページ等を有効的に利用し、消費者等に対してカーボン・オフセットの取組についての情報提供を行います。
具体的には「カーボン・オフセットの取組に係る信頼性構築のための情報提供ガイドライン」をご確認ください。情報提供ガイドラインは こちら
3.実施にあたって(中級~上級)
- [3-1]カーボン・オフセットを実施する場合の会計処理について教えてください。
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企業会計基準委員会による「排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い」(平成16年11月30日、(平成21年6月23日改正)実務対応報告第15号)によると、京都クレジットについては、将来の自社使用を見込んでクレジットを取得する場合の会計処理について、原則として「無形固形資産」又は「投資その他の資産」の購入として会計処理を行い、国別登録簿の政府保有口座に償却を目的として移転した時点において費用とする旨が定められており、この費用については、原則として「販売費及び一般管理費」とすることが考えられるとされており、また「京都クレジット以外の排出クレジットについても、会計上、その性格が類似していることから、本実務対応報告の考え方を斟酌し、会計処理を行う」とされています。
しかし、今後、さまざまな手法のカーボン・オフセットが出てくることが予想され、それぞれの手法にあった会計処理を適切に行っていただく必要があります。
- [3-2]オフセット用のクレジットを購入するインセンティブ(例えば、税制上の優遇措置)はありますか?
- 現状ではそのような優遇措置はありません。カーボン・オフセットの取組状況を踏まえつつ、今後その必要性などを検討していきます。
- [3-3]オフセット用のクレジットを購入した場合の損金算入は可能ですか?
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環境省及び経済産業省から国税庁に対してなされた照会(「京都メカニズムを活用したクレジットの取引に係る税務上の取扱いについて」)の回答文書(平成21年2月24日)によると、京都クレジットを償却目的により政府保有口座に移転した場合の法人税の取り扱いについては、移転が完了した日に近い売買時価に相当する金額を、原則として国等に対する寄付金として、損金の額に算入することが認められています。また、内国法人が他の内国法人に京都クレジットを有償譲渡した場合の消費税の取り扱いについては、当該取引は消費税の課税の対象となるとされています。一方、内国法人による他の内国法人からのクレジットの有償取得については課税仕入れに該当し、仕入税額控除の対象となるとされています。その他詳細については、国税庁の照会を参照してください。
ただし、現在のところ、J-VERを含む、京都クレジット以外のクレジットに係る税務上の取扱いとしては整理されていないため、会計士・税理士や所轄税務署とご相談なさることをお勧めいたします。カーボン・オフセットの実施に係る税務上の取扱いについては、今後早急に検討し、整理していきたいと考えています。
- [3-4]地方公共団体としてカーボン・オフセットの取組を実施することを検討していますが、法律等の根拠規定はありますか?
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現時点では、地球温暖化対策推進法等に明文での規定はありませんが、地球温暖化対策推進法第20条第2項に基づく地方公共団体の自主的な努力の一つとして実施できると考えられます。2008年の通常国会で可決・成立した改正地球温暖化対策推進法に基づき、2009年6月に策定された地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル(第1版)においても、地方公共団体として採りうる対策の一つとして挙げられています。また、2008年7月に創設した、JCAP等を活用して、地方公共団体の方々から広くご意見を伺い、地方公共団体としてカーボン・オフセットの取組を実施するにあたっての課題等を整理し、どのような解決策があるか検討する必要があると考えています。

図 カーボン・オフセットを推進するにあたっての諸団体との連携
- [3-5]カーボン・オフセットのために京都クレジットを償却し、日本の京都議定書の目標達成に用いることは、自己排出量のオフセットとのダブルカウントになるのではないでしょうか?
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カーボン・オフセットの取組は、そもそも、ある排出量に対しその全部又は一部に相当する排出削減・吸収量(クレジット)の無効化を適切に行えば、オフセットされていると考えることができます。これは、オフセットに用いられる排出削減・吸収量が京都クレジットであってもそれ以外のクレジット等であっても同様です。
ただし、京都議定書第一約束期間中(2008年~2012年)に国内で排出される温室効果ガスをオフセットする場合、クレジットを償却することによって、京都議定書に基づく我が国の削減目標の達成に貢献することができます。この場合、当該クレジットはあくまでも自らの排出量の埋め合わせに使用されており、ダブルカウント(あるクレジットを複数の異なった排出量の埋め合わせに用いること)には当たりません。
なお、排出量取引制度が導入されて各事業者の排出量上限が明確にされている英国では、事業者の規制の下に行われる取組と、事業者や個人の自主的な取組を区別することなどの理由により、オフセットに使用したクレジットを取消すことを規定しています。一方、我が国では個人や事業者の自主的な取組によって京都議定書の目標達成を目指しており、目標達成に向けて相当な努力が必要な状況にあり、特定の個人や事業者が自己排出量のオフセット目的でクレジットを償却したとしても、すべての個人や事業者が引き続き排出削減努力を行う必要があることに変わりはありません。また、京都議定書の目標達成に自ら貢献したいという個人や事業者の要望が高く、このようなニーズに応えるためにも、償却を行うという選択肢を設けています。
- [3-6]指針に示されたカーボン・オフセットの定義を踏まえると、京都議定書目標達成のために寄付するという形の商品・サービス等(該当する商品の製造・使用時の排出量等の埋め合わせとは関係なく、商品・サービス等の価格にクレジット価格を付加したもの)とカーボン・オフセット型の商品・サービス等(該当する商品の製造・使用時の排出量等の全部又は一部を埋め合わせるクレジット価格を付加したもの)とを区別した方がよいのではないでしょうか?
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京都議定書の目標達成に貢献するために一定量のクレジット購入費用や一定額のクレジット購入費用を寄付するというものと、カーボン・オフセットは区別するべきだと考えます。
「京都議定書の目標達成に貢献するために寄付する」という形の商品・サービス等には、オフセットの対象となる活動・排出量が特定されておらず、排出削減努力も行われないまま、商品・サービス等の価格に京都クレジット等の購入・寄付に充てられる費用が付加されるものがあります。このような商品・サービス等については、「カーボン・オフセット」という用語を商標や商品・サービス内容の説明に用いるのは適当ではありません。なお、オフセットの対象が該当する商品の製造・使用時の排出量等と関係づけられない場合でも、例えば自己活動オフセットの一種として、商品購入者・サービス利用者の日常生活の中でのさまざまな排出量のうちの一部をオフセットしているものであるという説明を加えていただき、主体的にそれらの排出削減努力を行う必要があるといった情報提供をしていただくことなどにより、「自己活動オフセット支援型」として、カーボン・オフセット商品・サービスと位置づけることは可能です(FAQ2参照)。
一方、商品の排出量等の全量又は一部をオフセットするカーボン・オフセット型の商品・サービス等については、「誰が出しているどのような排出をオフセットしているのか」、「オフセットに要する費用はどのくらいなのか」、「どのような排出削減努力を行っているのか」などの情報を購入者に対して提供していただく必要があると考えます。情報提供のあり方については、
「カーボン・オフセットの取組に係る信頼性構築のための情報提供ガイドライン」(略称:情報提供ガイドライン)を参照してください。オフセットの類型毎に、情報提供すべき項目について一覧や記載例が示されています。
- [3-7]グリーン電力証書をオフセットに使う場合にはどのような手法がありますか?またその際の留意事項は何ですか?
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カーボン・オフセットにグリーン電力証書を用いる場合の基準については、「カーボン・オフセットに用いられるJVERの認証基準に関する検討会」で議論されていたところです。
1つの手法としては、使用する電気をグリーン電力にすることによりオフセットの前段としての削減努力を行うやり方が考えられます。
また、グリーン電力証書を用いてオフセットの対象となる排出量(例えばガスの使用や航空機の利用など)を埋め合わせる手法も考えられます。ただし、この場合には、あるグリーン電力証書が、他の複数の排出量のオフセットに用いられ二重使用とならないよう適切に活用されているかが重要です。グリーン電力証書については、無効化する手続きがないため、二重使用が起こらないためにどのような措置をとるかという点につき、現時点では明確な整理ができていないことから今後我が国のカーボン・オフセットやグリーン電力証書の実態を踏まえ、引き続き検討し整理してまいります。
- [3-8]カーボン・オフセットに用いられた京都クレジットを国別登録簿上で償却する場合と取り消す場合がありますが、両者の違いは何ですか?
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我が国は京都議定書において、2008年~2012年(第一約束期間)の間に基準年度(1990年度)比で6%温室効果ガスの排出を削減する約束を負っています。この約束の達成/不達成は、京都議定書に基づいて算定される我が国の2008年~2012年の総排出量と、国別登録簿の償却口座に記録されているクレジット総量とを比べることによって確認します。すなわち、償却口座に存在する京都クレジット総量(初期割当量AAUを含む)が、2008年~2012年の温室効果ガスの総排出量と同じ又は上回れば、京都議定書の約束が達成されたとみなされます。
京都クレジットを「償却する」とは、京都クレジットを京都議定書第一約束期間の約束達成に用いることをいいます。これを先に述べた国別登録簿上で見ると、償却口座に存在するクレジット量が増え、我が国が第一約束期間内に排出可能な枠が積み増しされることになります。カーボン・オフセットの対象となる排出量が、京都議定書第一約束期間中(2008年~2012年)に国内で排出される温室効果ガスである場合には、クレジットを「償却する」ことにより、カーボン・オフセットの取組を通じて我が国の京都議定書の目標達成のために用いられることになります。
一方、京都クレジットを「取り消す」とは、京都クレジットを京都議定書第一約束期間の約束達成には用いないようにすることをいいます。京都議定書第一約束期間中に国内で排出される温室効果ガスをオフセットする際にクレジットを取り消した場合には、京都議定書の目標達成とは別に世界全体での温室効果ガスの削減に貢献したことになります。国際航空のように、現時点で京都議定書に基づく日本の排出量に含まれない排出をオフセットするに当たっては、国別登録簿上では取消口座に移転することが必要になります。京都議定書目標達成/不達成とオフセットクレジットの流れ
- [3-9]カーボン・オフセット型の商品・サービス等を販売し、購入者に代わって京都クレジットを国別登録簿上の償却口座に移転するに当たり、どのクレジットをどの購入者のためにオフセットしたのかを証明する手段がありませんが、どのように対処すればよいでしょうか?今のところはホームページでの公表等により対応するかどうか検討しています。
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カーボン・オフセット型の商品・サービス等の販売に当たり、京都クレジットを当該商品・サービス等の購入者へ移転せずに販売者が自ら償却口座へ移転する場合もあります。これは、埋め合わせの確実性が確保される反面、カーボン・オフセット型の商品・サービス等の販売者がどのクレジットを誰のために償却したかを適正に管理しておく必要があります。もしこれを怠り、あるクレジットが複数の商品・サービス等のオフセットに用いられた場合には、クレジットの二重使用に当たります。
このような、カーボン・オフセット型の商品・サービス等の販売者による京都クレジットの管理については、現時点では、各事業者においてホームページ等を使って管理・公表していただくしか方法がありません。この際、一つの商品・サービス等のオフセットに用いられるクレジット量が1トンに満たない場合には、1トン単位で異なるシリアル番号を有する京都クレジットに枝番を付して管理する等の適正な管理を行っていただく必要があります。
なお、平成21年3月10日より、国別登録簿の口座保有者がいつ、どのクレジットを償却口座も含めた他の口座へ移転したかを帳票にして打ち出すことを可能とする機能が利用可能となっていますこの帳票には備考欄があり、どの購入者のために京都クレジットを償却口座へ移転したか等を、口座保有者の責任において記入することができます。また、情報提供のあり方については、
「カーボン・オフセットの取組に係る信頼性構築のための情報提供ガイドライン」(略称:情報提供ガイドライン)を参照してください。オフセットの類型毎に、情報提供すべき項目について一覧や記載例が示されています。
- [3-10]自社で創出したオフセット・クレジットを使って、自社の排出量を埋め合わせることはカーボン・オフセットといえるのでしょうか?
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「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」のカーボン・オフセットの定義(事業者が主体的に排出削減努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量で全部または一部を埋め合わせする)にもあるように、「自らの削減努力」と「他の場所での排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動の実施」を混同しているため、カーボン・オフセットとはいえません。事業者の削減努力をクレジット化し、そのクレジットをもって事業者自らの排出量の残りを埋め合わせることは「自らの削減努力」に位置づけられるものと考えられます。
もっと詳しい説明は こちら